ウグイス考 うぐいす色(鶯色)の歴史(2) 注1〜4 TopNatureウグイス考


 注1  鶯色の普及時期
京都市染織試験場 データベース  鶯色
現在URL消滅
http://210.134.111.100/SenshiDB/tango.acgi$/color.qry?function=form
鶯の羽のような色,つまり暗い黄緑色に用いられる。鳥に由来する色名がつけられるようになるのは中世以降に多くなり,鶯色も,一般に普及したのは江戸時代である。当時は,藍の下染に刈安か楊梅をかけて染め出しているので,色相が複雑となり,渋い黄緑系統の色となっている。ただ茶色全盛の江戸時代は,基本の鶯色より,鶯茶が用いられることの方が多く,後期にはほぼ同じ色になったようである。
京都デザインデータベース  117.鶯色
http://www.joho-kyoto.or.jp/design/col/col_117.html
鶯の羽色のような暗い萌黄色をいう。先にあげた「鶯茶」はこの色を褐色がからせたもので、鶯色とは色調が少し異なる。しかし、茶色全盛のこの時代では、鶯茶の方が「鶯」を代表するようになり、基本の鶯色は時に鶯茶の名で呼ばれたのではないかと思われる。鶯色は元禄以前から知られた浄瑠璃土佐節の「染色盡」に「咲くや花色花に鳴く、鶯染の声あげて…」と、よみ込まれているが、『女重寳記』(元禄五 一六九二)の「萬染色之名」には鶯染はなく鶯茶の方があげられている。

 注2  四十八茶百鼠
カラーコーディネーター検定
http://colorterms.kisochishiki.com/culture/shijuuhatcha-hyakunezumi.html
四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)とは、江戸時代の町人が工夫して編み出した、茶系、鼠色(灰色)系の染色のバリエーションを指す言葉です。ここで言う「四十八」「百」は「たくさん」という意味。実際には茶系も鼠色系もそれ以上のバリエーションがあったそうです。・・・・・・・・

 注3  JIS慣用色名の鶯色
         JIS Z 8102:2001 物体色の色名   (http://kikakurui.com/z8/Z8102-2001-01.html)
下に示す色見本はうぐいす色(鶯色)の怪で紹介したものにWikipediaのデータを追加したものです。
日本工業規格の「色彩」分類に,「物体色の色名」として慣用色名と系統色名を示し,色名の属する範囲を数値と記号で記述した「JIS Z 8102:2001」という規格は印刷用カラーチャートのように厳密な色そのものの見本ではありません。 さらに物体の色というのは物体の表面が反射する色で、パソコンのディスプレイが放つ光源色と同等には扱えません。正確な再現は難しのを承知の上ディスプレイ用のRGB数値に置き換えています。
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 JIS慣用色名のマンセル値を「色出し名人Millennium U」でRGB値に変換
 Wikipediaの『JIS慣用色名』項目に示されたRGB値
 雑念の塊 ;http://homepage3.nifty.com/zatsunen/color/jpncol.htm 
  日本の伝統色(色の小辞典)財団法人日本色彩研究所編/福田邦夫著 読売新聞社発行)
     記載のCMYKデータを、 Adobe  PhotoShop によりCMYK→RGB変換
 きものくらぶ 色の広場 日本の色 ; http://www.hi-ho.ne.jp/sawai/club2/col0.html  
      (参考文献:日本の伝統色:読売新聞社)
 友禅ネット 日本の伝統色 ;  http://yuzen.net/color/green/uguisu.htm
鴬色 鴬茶
#706c3e #6a5f37
#71714a #70613a
#60581a #56451d
#494918 #473c1d
#504f1c #473c1d

JIS規格は「代表的な色記号」が表記されているので色幅の含みがあります。ディスプレイ用RGB値では算出手法も加わって、このくらいのズレは許容範囲と言えそうです。

(以下は管理人のたわごと)
ネットの中で見かけた日本の伝統色 鶯色と鶯茶の色見本 は「うぐいす考」の最初の「うぐいす色(鶯色)の怪」で紹介していますが、そこにはJIS規格以外のものも含まれていました。現在では伝統産業といえどもその存続のため大衆迎合的な一面も必要とし、製品、商品名、ネーミング等に腐心しているのでしょう。うぐいす色もウグイスの実体を意識することなく、言葉の響きやイメージとしての受けの良さで使われます。そして、ウソのうぐいす色を使う者同士は事実を知らないため、鵜呑みという素早い理解(?)で意思伝達が出来るようです。

「厳選された」 「こだわりの」 「無添加」 「お客様満足度98.2%」 よいイメージが伝われば正確さは不要、意味さえ不明の形容が大衆商品にあります。
緑(みどり) 黄緑(きみどり) 草色(くさいろ) 若草色(わかくさいろ) 若葉色(わかばいろ) 若菜色(わかないろ) 萌黄(もえぎ) 抹茶色(まっちゃいろ)・・・・いろんな色名があっても、よいイメージが伝われば正確さは不要、 うぐいす色がいい。
JIS規格を取らない製品ではどんな色をうぐいす色にしてもおとがめはありません。
うぐいす色の電車に始まって、そのうちにアマガエルもトノサマバッタもうぐいす色のなる?公園の芝生もうぐいす色だ。と言うことになるでしょうか?ウグイスは見たこともないのに。

 注4   昭和初期までの飼い鳥文化 
 戦前に少年時代を過ごした城野 茂門の思い出---昭和初期
   暮らしの鳥ごよみ (海鳥ブックス (11)) 単行本  城野 茂門 著 より引用