マガモ
2002年10月下旬、竜田川にマガモがやって来ました。
と、一行で書ける事ですが、実際の手順はそう簡単ではありません。なぜなら、私は生まれて始めてこの鳥を見たので、当然ながら名前を知りません。写真に撮り、図鑑を調べ、これがマガモだったのか、と言うことになります。
マガモという水鳥がいることは言葉の上で知っていました。マガモからアヒルが作られたという知識もありました。でも、マガモそれ自体を知らなかったのです。実体の伴わない字面だけの知識は沢山あります。鳥だけに限っても、カッコウやホトトギスを知らない人はないと思いますが、ほとんどの人は字面だけの知識です。カッコウやホトトギスの難しい漢字を知っていながら、鳥そのものは知らないと言う人もいます。
でも、とにかく私はマガモそのものに出会ったのです。
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野鳥の写真 「マガモ」 奈良県生駒郡平群町で撮影   平群庵:平群の里の侘び住まい
着水した勢いでコガモのそばまでやって来たマガモ。
コガモは怖がりはしませんが少しオタオタ。
このページのマガモは雄です。雌は特徴に乏しく、単独で居てもマガモの雌と言う判断が私にはできません。雄は輝く濃緑の頭、黄色い嘴、白いネックレス、とてもお洒落です。
ところで、写真を見ていて気が付いたもう一つのお洒落がありました。下の写真でしっぽに穴または輪のようなものが二つ見えます。羽根ピアスでもするのかしら?
横から撮った他の写真も並べてみると、輪に見えたのは尾羽のカールでした。
最後の二枚の写真は色が悪くて没にしたものですが、尾羽のカールの状態が見えているので復活しました。そこだけ見て下さい。
他のカモにもこんな飾りがあるのだろうかと図鑑を調べるとどうやらマガモの特徴らしいことが判りました。そこで、インターネット上で<マガモ、尾羽、カール>の文字列で検索をしてみました。すると検索一致がゾロゾロあり、マガモは中央尾羽がカールするとの説明文が一様に書かれていました。私が発見して嬉しくなったことはバードウォッチャーにとっては常識だったようです。
でも、こうやってマガモのページの作成を通じて、ひとかけらの常識を手に入れることが出来ました。
余談ですが、マガモから家禽として作られたアヒルの尾羽はどうなっているでしょうか。これもインターネットで調べてみました。なんと、アヒルの雄の尾羽にはカールがあると記されていました。尾羽をカールさせるDNAは健在なのです。アヒルは雄雌共に白いので色柄ではどちらか判りません。カールのあるのが雄である、と言う見分け方が載っていました。
今度はアヒルを見たいと思いましたが、飛んできてはくれません。