2015年 早春 トップに戻る


アオモジ Litsea citriodora(Sieb. et Zucc.) Hatusima クスノキ科
アオモジは以前には見かけなかったように思う。調べてみると、岡山・山口〜沖縄の山野の日当りのよいところと言うのが、一昔前の分布であり、もっと前、1960年頃発行の図鑑では、九州、沖縄、台湾に分布、とある。
このあたりへの進出は近年の事らしいが、成長が早く、分布はどんどん北進しているようである。
アオモジの花は早春に咲く。雌雄別株なので花の作りが違う。雄花は花粉をつけるので花木全体の黄色が特に 強く見えるが、花弁(花弁と萼に相当する部分)は白い。
花の付き方が梅や桜より複雑そうなので調べてみた。


アオモジ 雄木
雄木の開花前の一枝。ひとつひとつが花蕾に見えるがこれは花序(花の集まり)。したがって、外側の薄い黄緑部分は萼ではなく「苞」。図鑑用語では「総苞片」。 咲き始め 雄木だから全部雄花が咲く
蕾ひとつののようにに見えたのは4,5個の花を含む花序
花一個につき、雄しべは芯の3つとまわりの6つ、合わせて9個がある。芯の3つはドリル チャックのように見える。
中心の花がまわりより先に生長していて形がよくわかるが、後から開くまわりの花も今はへしゃげているが同じ構造。
雄しべの先には花粉を作る役目の葯がそれぞれ4つ。
雄しべが展開すると、ひと花で計36個もの黄色い葯が現れる
頂花に続いてまわりも開き始める。
雄しべの付け根の黄色いものは腺体(蜜を出す)
横から見ると、アオモジの雄しべは多くの花粉玉を付けた鳴子のようだ。
受粉を助ける昆虫が少ない季節、風媒花的機能もあるのかもしれない。
アオモジ 雌木
雄花の塊よりやや小振り、花付もやや控えめ
花は中央のめしべ以外に色々付属品がある。 黄色いのは腺体(蜜を出す)
白く細いヘラ状は仮雄しべ(雄しべの名残みたいでのない花糸だけの組織)。 雄花の雄しべと同数(9本)ある。
アオモジの雌花が咲き進むと、真ん中の花はしぼんでまわりが盛りとなる
花の部位


アオモジ後記
アオモジについて全般的なことを調べてみると、なんと灯台もと暗し、
KATI−KATI山だより 創刊号の 「この木なんの木?」第1回 はアオモジであった。2006年のことである。そこには、
樹木図鑑には広島県以北にはないと書かれている--中略--カチカチ山は日本でもまれなアオモジの産地なのだ>
とあった。ここ平群には特異的にアオモジが多いらしい。 
ネット中で
1960年代後半、平群町久安寺の花卉栽培農家が切り花用に導入したという記述を発見。
関西で咲くアオモジ
生駒山系は他所よりアオモジ密度が高い所かもしれない。



竜田川の川筋で見た野鳥
アオジ
水鳥ではないが川辺にも来る
モズ
何かを水辺で拾ったようだ。
イソシギ イソヒヨドリ
セグロセキレイ
寒いので思いっきり丸くふくらんで、それでも水辺が好き
ダイサギ 竜田川では珍しい
カワセミ カワセミ+サカナ
アオサギ
一本足、 首縮め、 寒い
川辺ではなく田んぼにいたが、名前はカワラヒワ 
ノスリ?
久しぶりに猛禽を見た


最近の竜田川
梨本の橋から上流に向かって。  草が刈られてきれいになっている。
道の駅くまがし付近の近鉄の高架下より下流 枯れ草もなくすっきり
プリズム平群横の橋より下流
同上地点より上流、プリズム平群の前の流れ
プリズム平群付近の人工の瀬 冬期、かつてはカモで賑わっていた。
かつてカモで賑わっていた頃
コガモ マガモ ヒドリガモ 元山上口から竜田川駅までの間に、かつては 数百羽のカモ類が見られたが、今シーズンは小ガモが10〜20羽のみ。
草を丁寧に刈って きれいになった竜田川。
カチカチ山も草木を全部切って丸刈りにしたら、そんな禿げ山には鳥は寄りつかないだろうな。
遠くから飛んできたカモが空から見下ろすと、竜田川は川辺に何も生えていない、禿げ川だ。
ここは、渡り鳥にとって自然の川ではないのかもしれない。(どんどん整備され、きれいになっていく水路ではあるが)
(以上は筆者の憶測であり、証明はされていません)