シリアゲコバチ科 体長:11mm 平群庵昆虫写真館
シリアゲコバチ
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シリアゲコバチの背負っている産卵管、実はこれは鞘で本当の産卵管はこの鞘に抱かれるように納まっています。
ハチの産卵管は尻先にあるのが普通ですがこのハチは腹を二つに割って、腹の真ん中から産卵管を出します。
普段は腹の真ん中から背中までぐるりと回して産卵管を収納しています。
収納の発想は、キツツキが長い舌を頭蓋骨を一周させて納めているのに似ています。

シリアゲコバチの産卵 (1)
シリアゲコバチの産卵は宿主(ハキリバチなど)を探すところから始まります。
(1) 宿主の匂いを嗅ぎ当てるのでしょうか、あるいは微弱な振動で内部の空洞を探り当てるのでしょうか。触角で表面を探ります。
(2)位置が決まると、普段は腹の下にあって、腹を真っ直ぐに固定している添え木のような腹板を外して腹の一節と二節の間を折り曲げます。
(3)次の瞬間、腹が折り曲がった状態で腹板を戻すと、腹板は鞘から外れてくる産卵管の根本にあてがわれることになります。
(4)あてがわれた腹板は細い産卵管を真っ直ぐに支えるガイドの役をするために産卵管を抱き込みます。
(5)透明な膜袋は産卵管を突き立てるときにかかる力と繰り出す長さのコントロールに使われます。
(6)膜袋の拡大写真:腹の中が丸見えです。
シリアゲコバチの産卵 (2) シリアゲコバチの産卵 (3) シリアゲコバチの産卵 (4)
シリアゲコバチの産卵 (5) シリアゲコバチの産卵 (6)
シリアゲコバチの産卵


ボーリングの装置をセットしてさあ運転開始、シリアゲコバチの産卵です。
もう捕食者が来ても動けません。
産卵するシリアゲコバチは微細な存在です。
しかし、これをじっと見つめていると、その命がけの気迫が伝わってきます。


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