クモバチ科(ベッコウバチ科) 体長:15〜27mm 平群庵昆虫写真館
ベッコウクモバチ Cyphononyx fulvognathus
名称 : 以前はベッコウバチ科のベッコウバチであり、キバネオオベッコウとも言われ、今はベッコウクモバチです


昆虫図鑑は死体図鑑 生き物図鑑ではなかった
図鑑でベッコウバチの類を見ると一様に触角の先が巻き込んでいます。最初、私は触角の先が巻き込んでいるのがベッコウバチ類の特徴で、そういう形で飛んでいるのかと思っていました。でも違いました。ベッコウバチの触角は釣り竿の先のようにしなやかで曲げることができますが、いつも曲げた形でいるわけではありません。
おそらく捕獲して標本にすると乾燥して巻き込んでしまうのでしょう。それは仕方がない事かもしれません。しかし、それを忠実に写生したり、写真にとって図鑑の原図とするのでは死体図鑑となってしまいます。
生き物の図鑑なのに載っているのは死体の絵や写真だったのです。
ほ乳類や鳥類の図鑑では死体を載せているということはまずありません。あるいは植物図鑑が押し花や標本の写真で作られることもありません。
昆虫は死んでもあまり変化しない場合が多いので死体図鑑でもいいと思ったのでしょうか。昆虫図鑑をつくる人のセンスにはがっかりします。せっかく画家に絵を描いてもらうのなら、生きているように描くことだって出来るはずです。
特に、ハチやアブなどでは萎縮変色した標本の写真を載せている図鑑もあります。
私に言わせれば、そのような図鑑は昆虫ミイラ図鑑です。

ベッコウクモバチ: オスはメスより小振りで翅、背、顔の焦げ茶色が濃いようです。オスは触角の先も黒くなっています。
頭盾に黄褐色部があって、前伸腹節(腰のくびれより上の部分)に強い横皺があるのがCyphononyx属の特徴で本州にはこの属にベッコウクモバチ1種だけがいるとのことですが、前伸腹節の横皺だけですと他のクモバチにも見受けられます。

ベッコウクモバチ メス ベッコウクモバチ オス
ベッコウクモバチ メス ベッコウクモバチ オス
ベッコウクモバチ メス ベッコウクモバチ オス

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